ぽんすけ成長日記その3「わからん」
朝、ぼくが一足遅く起きるときに、
母と娘の激闘が繰り広げられていました。
スカートを履きたいという欲求だけで、
こんなにも大声で泣くことができるそのエネルギーに、
父親は舌を巻くばかりです…。
ぼくは高校生くらいまで服装には一切無頓着でいたような、
クソダサな少年だったので、
4歳にして服を自分で選ぼうとする自分の娘に、
驚愕するのであります。
ところで、このスカートを巡る母と子の戦争には、
発端があります。
母が平日のスカートを禁じたことです。
これには深い意味があるなあ…と考えざるを得ません。
ぽんすけはよく、股を開いて座ります。
寝るときも大股開きで眠ります。
地面に座ればパンツは見え放題です。
そういうことに、ぼく以上に母親は危険を察知するのです。
いやなニュースも多いものです。
自分の子どもが見知らぬ人から触られたりじろじろ見られたらするのは、
親としてもすごく不安です。
連れ去りなども本当に怖いと思ってしまいます。
5歳になったばかりのぽんすけは、自分が一部の大人にとって、
性の対象であるなどとつゆも思わないでしょう。
そもそもそういうことを大人が好む、考える、行為するなどということを、
前提としての認識を、
子どもは持っていないのです。
何がどうして気をつけるべきことなのか、それをわからせるのには、
たくさんの時間が必要です。
身を守らせるために、親がずっと近くにいられない平日は、
スカートをはかせないという妻の判断を
ぼくは支持します。
一方で、時間をかけて伝えていかないといけないことでもあります。
そしてそれは、話しづらいことだけど、
幼いうちに恐れずに踏み込まないといけないと思うのです。
スカートの件では、なぜそういうふうにしたか、
ぽんすけにわかる言葉で丁寧に話してみました。
女の子のおしりやパンツが好きな大人のひともいるんだと
はっきりと伝えました。
連れて行かれてしまった女の子もいるんだと伝えました。
もしかしたら必要以上に怖がらせた向きもあったかもしれない。
でも、その日以降、ぽんすけはおとなしく
ズボンやショートパンツで登園しています。
どんなことも、性的なことも、
親は逃げずに「理由」を伝えていかねばと思います。
そして、5歳時には5歳児向けの
性教育が必要なのだろうと、
男親としてはすこし勇気をもって決意するものであります。